プロジェクト」カテゴリーアーカイブ

新しいプロジェクト

新しい年度に変わり、早くもGWが近づいてきています。

毎度のことながら年度末よりも年明けからの方が断然忙しく、新規物件の数が異常なほど増えるのがこの時期の特徴なのです。基本的に引き受けられるものは全て受けて、少しずつお待たせしながらも進めていくのですが、一気に半年から1年先まで埋まってしまうことも多くあります。HIRAMEKIに依頼を頂く、その多くのプロジェクトにはかなり特徴的な事案が多く、様々な難問を抱えていたり、面白い地形であったり、企業のフラッグシップモデルと作りたり等いろいろなお題というか、難問を少し面白可笑しく解釈しながら仕事を進めていくのが兎に角面白いのです。

不動産商品を作る場合、特に多いのが現地にある建物や植物、その歴史を残すというお題。

ありがちなんですが、なかなか難しいのが本音です。新築の不動産商品を作る中に少し使い古したものがあると嫌ですよね?アンティークと言ってしまえば聞こえは良いのですが、大体そうではないことが多いものです。

そんなことを思いながら、今日も数件新規の現地確認へ。

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この地域は地域協定があり、法的拘束力はないにしろ協定に基づいて不動産開発を行う必要があります。現地周辺を1時間ほど歩くと、かなりの数の建売、建売予定地が存在していましたが、どこも協定に沿った形にはなっていない状態にも見えるものがありながらも、緑量溢れる街並みにさすが歴史がある風景だなと感心させられました。

一通り現地や周辺の既存住宅、新規の建売住宅などのチェックも終わって、ふと歴史や時間、季節の風景はどの新規の建売物件にも感じられないことに気づき、次回の現地調査は古い建物やストリートに絞って更なるリサーチをすることに決めました。

お恥ずかしいのですが、記憶力が曖昧で一度現地に行くだけだとその魅力や力、時間や歴史に気づくことが難しく、何度も現地へ行ったり、古い写真を探してみたり、時間や天気の違いから感じる何かを求めて足を運ぶことが多くなります。人から見ればチョットオカシイ人に見えそうです。

遠隔地の現場だと中々できないので、足を重ねることが出来る場所であれば、時間の許す限りギリギリまでアイディア出しを粘り、その考えている時間が楽しすぎるので、それらが終わる=基本プラン完成の時が大体悲しい気分になってしまうのが、自分の悪い癖でお待たせしている大きな原因なんだと、理解しつつ改善していきたい・・・。

<今日の音楽>

Always Feel This Way


舗装をリフレッシュ

HIRAMEKIでは本当に様々なプロジェクトを抱えていて、それらのすべては土地を購入する時点からの相談が多くて、造成計画、道路線形や道路構造令や国交省の環境基準に合わせた意匠デザイン、そして街のコンセプトから派生する間取りや意匠デザイン、それらを取り囲む環境デザインまで多岐に渡ります。このブログでは、プロジェクトの結果だけではなくて、プロセスや工法などを紹介していこうと考えています。とはいえ。。。特殊な工法などは一切使ってませんので、全然参考にはならないきわめて一般的な内容をうーっすらと掘り下げていくようにします。

どーでもよいような内容もあると思いますので、気に入らない人はスルーしてください・・・。

 

さて、HPのトップに書いたような2棟のリノベーション物件を進めていますが、間もなく完成です。

リノベーションなので、当然ながら使えるものは可能な限り残し、うまく場内をコントロールする必要があります。

この現場で一番気になるのは、既存駐車場の土間コンクリートの汚れ。これを壊して新しくするか?単純に掃除して綺麗にするか?上から何かかぶせるか?など比較検討してみました。

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↑施工前です。

 

 

 

結論から言うと、上から何か被せてしまうのが一番早くて美しくて、強度やコスト、環境面に配慮すると行き着いた結果です。

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↑完成。舗装後、養生期間があまりかからないのが良いです。

 

いわゆるステンシル舗装です。最近は、10年ほど前に流行った汚しの加工が入っているのとかもあるようですが、リノベーションプロジェクトで既存住宅の作りが少しクラシカルな感じだったので、レッドブリック調で白目地+芝生+馬目地CBの色味がより建物の良さを引き立てる組み合わせにしてみました。

 

ちなみに随分前にAS舗装の上に使用したことがありますが、個人的にはフェイクにしては好きなディテールです。あえて本物を使わないでこういう工法が少しアメリカのモールなどに使われている雑な感じが雰囲気があります。

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3月末から鋭意販売開始します。

<今日の音楽>

Go

 


船橋プロジェクト

スッカリ秋です。少々寒くなってきました。

この夏から秋にかけて長雨で様々な現場工程に大きな遅れが目立ちました。そんな中でも何とかこの秋に完成した船橋のプロジェクトを少しだけ紹介。

※なお。写真はオフィシャルサイトからの引用になりますので、後日再撮影したいと思っています。

 

HIRAMEKIは、このプロジェクトで区画検討から街並みづくり、建築間取りや意匠計画、そして外部の植栽計画など多岐に渡ってデザインの監修?(そんない大げさな立場ではありませんが)をさせていただきました。いつもであれば自分で細部まで考えることを、各プロフェッショナルな方にご参加いただき、よりよい方向へ導いてくれたプロジェクトになっています。

この街はとにかく心地よさに重点を置いたプロジェクトになっています。もっとシンプルに心地よさって何だろう。欲しい住宅や街って何だろうと考えたその回答がこの街の中に備わっています。

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必要なものを備え、過剰な演出はしない。真の美しさや暮らしの豊かさ、所有感は表面的な意匠以外にもあるはずと考え、思い切って無電柱化を早々に導入し、街並みや空への解放感を追求したのも結果的には住まい手のプラスにつながっていると思っています。

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限られた条件の中、単一性を作らず単順に住宅のポジションによってあらゆる角度からの光、風、景色を日常に取り込み、住まい手の暮らしぶりや住戸のポジションによって時間や季節の移ろいにそれぞれの個性や変化が生まれるように空間を構成しているのも住んでみて初めて他と違うんだと実感できるのがポイントです。不動産商品というのは、外観や機能性、住宅のエリアを重要視され選ばれることが多い。当然ですがそれ以外にも住宅が建っている環境、向き、位置などの要素によって価格以上の環境性を手に入れることが出来るはずです。ただ、数ある商品の中でそれらをベストな商品を選んで購入することは難しく、住み始めて初めて気が付くことが多いのが不動産商品を選ぶむずかしさだと思っています。できる限り、一生の一度?の買い物に対して、可能な限り最最大限の豊かさを手に入れてもらえるように考えたプロジェクトになっています。

 

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可能な限り同一な風景が無いようにゾーンによって建物や植栽にメリハリを強く表現し、住まい方によってその特徴的なゾーンを選び、お気に入りの家に住むというスタイル。この街には家の一部がコミュニティーや日常のプラスとなるキッカケがハードとして整っていて、その空間で街や人と連携し時には仕事を作り出したりコミュニティがあったり様々な要素が溢れ出る仕組みになっている。ここは気付きや感度の高い新しい購入層へ強いメッセージとインパクトを与える従来の街づくりと少し違うアプローチの手法を取っています。

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<今日の音楽>

さよならリグレット

 


時季

今年の2月に竣工したプロジェクトを5月に再撮影しました。当然ながら緑が成長して雰囲気が良くなっている。様々なプロジェクトに関わっていると自分たちで設計や監理まで行うプロジェクトもあれば、そうでもないプロジェクトもある。当然ながらアレ?と思う時もあるわけです。また、住まい手も植物を積極的に維持管理していけばよいのですが、日々が忙しく、さらに植物という生き物自体がどのように接していけば良いか分からないことも多いようです。オージープランツのように野趣あふれる感じが良いとされている街であれば良いのですが、戸建分譲の街の緑で放置プレイはあまり良い雰囲気にならないので、ある程度手をかけなければなりません。HIRAMEKIでは、できる限り自社で設計、監理、施工までスムーズに連携し、入居後もできる限り最小限のコストで植栽管理を実施して、街並み維持を実践しています。

最近、施工後1~2年たったプロジェクトで外構や植物のアンケートをお願いしたところ、美しい!や夜景がスゴイ!など良いコメントと同じくらい植物の扱いや接し方に困っているとの内容があり、今後は完成後のケアも自分たちで積極的にプロジェクトに組み込みたい・・・なと。

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竣工当日(2月)

再撮影(5月18日)

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その他写真はメインプロジェクト参照ください。

<今日の音楽>

Running Man

 


街づくりは、既存の街並みに合わせるように作り上げたり、全く違う風景を作ったり。それぞれ作り込みの仕方によって、当然ながら佇まいから住まい手の雰囲気、趣味趣向などが大きく変わる。(ようするに集客方法からターゲットまで変わる)

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従来からある不動産商品に様々な人が住む街並みというのは、住まい手によって大きな価値感の違いがあったりして、美しい景観を保つことが難しいこともあった。

過去の実績から言うと強いコンセプトと作り手の想い、それらを顕在化する街並みに住む人は、殆ど風景を乱したりすることが無い(少ない経験値からの実績・・・)。いわゆるお気に入りの空間になっているということ。

コンセプトやストーリーをカタチにして自分たちのmy areaにするためには緑が不可欠である。この緑も、生き物なので日々成長し、カタチや色が変わったり、生まれ育った環境で同じ樹木でも大きく変状したりもする。でも、特殊過ぎて変わり者も扱いにくく、育て方も動かすことさえも難しかったりする。だからといって、一般的な庭園木ばかりも面白くない。

HIRAMEKIでは街並みをデザインし、それらを作る工程まで関与する過程で、事前に植物を関東以南からストックして、あらゆるプロジェクトに合わせて提供できるように常に情報を収集している。今回は、某プロジェクトに使用する緑を購入するときに、新しい緑を探すため様々な方々から事前に情報を得て、面白い緑を見つけることが出来た。さらに探している最中に関西の方にも情報が入る。このように面白い街並みを作るにあたっては、デザインだけではなく、やはり顕在化するための緑の情報とコンセプトと街並み、建築の一貫性がが不可欠かなと・・・改めて考えた一日。

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Beach house

湘南。江ノ島から鵠沼(くげぬま)海岸、辻堂、茅ヶ崎と相模川までのエリアを主に表す。
日本のサーフィン発祥地である鵠沼海岸、加山雄三、サザンの桑田で有名な茅ヶ崎など、湘南の中心地としての役割は強い。今回のプロジェクトは、神奈川県藤沢市片瀬にある戸建分譲(2棟)のプロジェクト。

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海から徒歩圏内でありながら、閑静な住宅街の最奥、北側は野原のような公園が続いていて、周りの景観があまり変わりにくい絶好の環境が揃っていた。街の名前は、早々に「こゆるぎこまち」と決めました。腰越にある小動岬(こゆるぎみさき)、その岬にある鎮守の小動神社から付けた街の名前です。小動岬は相模湾の風景を一望でき、そのいつまでも変わらぬ風景があるという雰囲気が街のコンセプトと重なり、「こゆるぎこまち」という街の名前に。

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今回は、周辺の競合他社が様々な商品コンセプトで「湘南らしさ」を作り出しているのに対して、自分たちは「海の暮らし」という基本コンセプトを設定。
このエリアでは、「らしさ」っぽい商品が多い。海を意識した暮らしではあるのですが、若干違和感ある感じ。型にハマった感が強く、もっと海の暮らしを楽しむ人はラフでカッコよく自分たちでカスタムする余白がある感じの暮らしを望んでいるのではないか?と思いコンセプトを設定しました。このラフ感や特別感を出すために、「こゆるぎこまち」の設計を「ワンオフ感」を強く意識しています。「ワンオフ」というのは、「特注の」「たった1つの」という意味です。1階にLDK、2階に各寝室を配したシンプルな間取りで、限られた敷地の中でも開放感が出せるよう、リビングとエントラスホール(Site1)、あるいは階段(Site2)の空間を完全に仕切ることなく、一つながりの大空間になるよう設計。両棟ともに玄関やリビング、ダイニング等の建物と外との境界を曖昧化して、より外を意識する暮らしが出来る空間構成としています。また、積極的に北側の公園を暮らしに取り入れるように、LANDSCAPE WINDOWを設けています。

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敷地は変形地でありながら、全体を整えてEhu Kaiのシーサイドにあるような裏路地のBeach houseの暮らしが出来るような空間を日本で再現し、進化させるとこのようなフォルムや景観になると想像しながら作ったものです。形を似せる街ではなく、その雰囲気や暮らし方、時間の流れが同じようになることを考えました。
商品企画とは別に、このエリアの暮らし方には独特の感覚が存在している。都心から一番近い海辺であるがゆえに一年中渋滞が慢性化すること。ゆえに、この地域における自転車保有台数も多く、海辺の渋滞エリアを颯爽と自転車で駆け抜ける地元の人が多いのも印象的な光景である。それともう一つ、マリンスポーツ等アウトドアがライフワークになっていることが多い。都心から移住するケースも多く、それだけこのエリアに暮らしの魅力があるということ。企画にあたって自転車、アウトドアの2つのキーワードも外せないポイントとなった。

建物のフォルムは、2棟を1つの邸宅と捉えデザインしています。庇やバルコニー全体のフォルムを整え、シャープに見せています。室内外は、それぞれの住戸をテラススタイルとウッドデッキスタイルとし、個性を作りながら、外部フェンスで違和感が出ない様に全体を包んでいます。

植物は、「ザ・南国」みたいな風だと「らしさ」っぽくなり恰好が悪いので、葉の形状、厚み、色、耐潮性などを考慮、組み合わせを考えて海辺と都会的な丁度中間のような植物環境を作っています。
[敷地面積]Site1=113.12㎡(34.22坪) Site2=111.14㎡(33.62坪)
[延床面積]Site1=89.22㎡(26.99坪)  Site2=83.21㎡(25.17坪)
[間取]3LDK
※本プロジェクトは、完成前に完売しています。

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<今日の音楽>

Love will keep us alive


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ひっそりとブログを再開。

このブログでは過去のプロジェクトの振り返りや現在進行しているプロジェクトなど様々なことを綴ってみようと・・・。また、ブログと同時にフェイスブックも復活させました。

さて、最近完成したsi-project。

全体18戸のプロジェクトで川沿いにある住宅街の一角です。

HIRAMEKIでは、土地利用から建築基本プラン、開発道路のディテールから各戸の植栽計画、パスやせせらぎの設備計画まで担当しています。

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外観はこのような感じです。さすがに都内なので、少し土地はコンパクトなのですが、全体は緑で覆われていて建物の外観は表面的な模倣や装飾を一切排除しています。

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外部の環境は、それぞれの空間を共有しあうことで、広がりと豊かさを作り出しています。植物の管理については、住みながらジックリと世話をすれば誰でも管理できます。豪華さや表面的な装飾が無い分、緑や風、水の流れる音など様々な自然現象と向き合え、暮らしの中にゆっくりと浸透してきます。本当の生き方、暮らし方、時間の過ごし方とはこういうことなんだと気がつける街並みが整っています。

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また、植物は比較的放任していても樹形が整いやすいものや、可能な限り成長の遅いものをセレクトし、様々な情景を室内外から楽しめるように建築計画と外部計画を行っています。

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自然に触れる、生き物を飼う、植物を育てる、美術館・博物館に行く、絵を描く、音楽に親しむ、絵本に親しむお出かけする、スポーツをする、買物をするなど、ご近所の家族、友達、大人と話をするなど 身近にある情操教育として、ざっと挙げただけでもこんなにあります。他にも、ボランティア、アニメ・映画鑑賞、料理・お菓子づくり、積み木、習字、工作、折り紙などなど、生活から取り入れられる方法はたくさんあります。高額な教材や完成されたおもちゃより、身近にある「ワクワク」にたくさん触れさせてあげることが大切で、そんな経験の一つひとつが、子どもの感情を豊かにし、気付きや学びを与え、能力や可能性を伸ばしてくれると信じています。それらの環境が揃い、あとは住み手がどのように活かして暮らしていくのか?が最大の課題であり、楽しみになります。

<今日の音楽>
Roll With It