8か月後

今年の2月に完成したプロジェクト。事業主の方から写真をお送り頂きました。ファサードの植物がイイ感じに秋を感じさせてくれています。

↑2022年2月撮影(HIRAMEKI撮影)

↑2022年11月撮影 (事業主様撮影)

なんというか。植物の種類は、一般的なものを使っているので、特別な樹形や色味は無いのですが、その普通な感じが堪らない雰囲気を醸し出している。ハーブも大きくなって丁度いい感じです。もう少ししたら剪定など定期メンテナンスも必要かもです。

↑2022年2月撮影(HIRAMEKI撮影)

 

↑2022年11月撮影 (事業主様撮影)


久しぶりに完成

この夏は毎日企画を書くと同時に、暑い中現場も同時進行で進んでました。

その中で小さいながらも全体の色味や細かい素材の厚みなどに配慮しながら完成したプロジェクト。クロマツや自然石は地域からの要望?で、積極的に取り入れながら、その地域に元々あった環境を出来る限り再現しながら作ってみました。

 

今回新しく取り入れたのは・・・スキマフレーム。空間を立体的に使うためのフレームを作ってみました。幅広い使い方が出来るとともに、空間のスキマを上手く飾ったり収納したりできる新しい試みです。

世の中のモノ選びが随分と変化している中で、高付加価値な不動産商品づくりはもちろん必要だとは思うし、それを求めている人も多いと思いますが『選ばれる街づくりや住宅づくり』という視点で作るのが必要と感じます。どれも同じで均整なもの、隣の分譲地も同じかそれ以上の設備だけでは全く選びようが無い。選ぶ前に比較されるんですよね。欲しい住宅やモノって、比較しないと思うんです。比較するのは日用品とか・・・そういうコスパとかを気にするモノ。住宅はそうでなくて、積極的に選んで買って欲しい。そんな作り方すると面白い。


夕景を取り込む

分譲住宅や集合住宅では、様々な形状の外部照明などを使い、夜間照明として使われていると思います。ライトアップやダウンライト、ブラケットやらピンスポットなど色々。あらゆるシーンを想定したメーカーの形状、光源、色、角度、まあまあ色々沢山です。照明やエクステリアメーカーのカタログやWEBに記載されているような使い方をしてしまうと、リアルに『光害』になりそうなぐらいの数と方向。特に照明は、実際に使った事ある照明でも現場によって光の角度が少し違うだけで随分明るくなりすぎたり、その逆だったりと、設定や想定した以上にも以下にもなりがちです。ただ、その良し悪しは誰にも理解されないので、明るく成れば基本OKみたいな風潮はあります。少し前までの流行は、『あかり協定』的な夜間は皆で朝まで電気付けておきましょう、明るくして防犯に配慮しましょうという流れがありましたが、昨今のエネルギー問題などから大々的に言われなくなりました。個人的にも夜中まで煌々と明るいのも微妙かなーと思います。ヒッソリ夜中に帰りたい時でも、めちゃくちゃ明るいと気が引けます。自分の中で最近は、足元を中心として歩道側や光を道路に少しだけはみ出すような使い方をします。夜間道路に光が漏れるだけで、広く感じます。それと道路が明るくなるだけで安心感が違います。光源は基本下向きに。広がらないように。広がりが必要なトコロはわずかに限定し、見せたいところと外の広がりを作るメリハリある照明デザインが良いと思っています。器具も出来る限り少なく、カタチは住宅や街のコンセプトに合わせて既製品や既製品を少しだけ覆うカバーなどもオリジナルで作ったりしますが、その場合も熱がこもらないように配慮したりと大変なので、やっぱり既製品を出来る限り種類を少なく、メリハリつけるのが落ち着いた夜間照明となります。ただ・・・照明のメリハリは、植物や壁、住宅を照らすわけなので、その植物の配置や高さがいい加減だと、そのメリハリ感は全然感じないわけで、季節感ある冬の夜の景を作りたいのに、樹種と照明の色味や照射範囲や角度が違っているだけで、全然雰囲気が出ないので十分総合的に配慮が必要なわけです。と列挙していますが、やっぱりいつも照明は難しく、最後まで気になる存在です。


完成

手作業シリーズの完成した集合住宅ですが、いよいよ今月末に引き渡しからの入居が始まっていきます。


最初に依頼を受けたときは、マンションのボリュームだけの状態で、コンセプトやテーマ的なものはボンヤリとしか見えて無かった。担当者と雑談を交えながらヒアリングを進めていくと、何となく想いや拘り、周辺の環境との調和、この場所でアグレッシブな環境づくりに強い思いを感じ取りました。

建築のラフ外構では、必要な緑量を確保し、アプローチを拵えるそんなイメージでしたが、現地周辺の戸建住宅や駅からのアプローチ、前面道路の賑わいを考えると写真のような風景を拵えながら、緑量感と意匠壁で距離感を作りながらも離れないようなものになりました。


(続)手作業による。

いよいよ完成に近づいたマンションプロジェクト。手作業で作る内観もアップしたいのですが、これはまた別の機会に。一先ず外観をブログにしてみます。最初のコンセプトワークの打ち合わせと現地周辺の立地といか環境というか雰囲気の良さに、環境計画のベースはすぐに思いつきました。ファサードの雰囲気をどうすれば、周りの環境に馴染みそして負けない主張が出来るか。毎日出入りするアプローチの向きや視線は大人と子供でどのように変わり、そしてその目線の先の季節感はどのように感じ、香りはどのように室内に入りこむのか?ホールに座った時の感じや外部からの視線、まったく視線を感じないのではなく、程よく歩道を行き交う人の流れをずっと見ていられるような、そんな空間です。難しいことは無くて、マンションでも手の温もりや人の手でしか表現できないような変化を感じられる風景が詰まった環境です。1年通して住むと、このマンション買って良かったと思ってもらえると100%思います。

取り敢えずの写真ですが、また写真は撮影しなおしてアップしますね。


手作業による。

とにかく手間がかかる作業の連続で、現場からは調整調整調整。実作業は相当な労力と時間を使っていただいていると思います。この計画において外部環境も建物内部においても共通なのは手作業を通じて、関わっている人のぬくもりや仕上げの特性をそれぞれの空間に残すという事。本来であればそんな雰囲気は残すべきではなくて、クリアにしていくように仕上げていくと思うのですが、今回のプロジェクトは、とにかく想いを残すために、手作業を徹底しています。当然見えてこないコストも相当だとは思いますが、この雰囲気がずっとそこに残るというのはある意味良い場所にずっと広告を出しているという事と同じだと思っています。話は変わってしまいますが、地場で戸建てプロジェクトを成功させている企業の特徴は、見せる拘りがあると思っています。グレードがイイとか価格が安いとかも特徴だとは思うのですが、継続させるカタチや雰囲気に拘っているところはやっぱり違う。毎回違うカタチもチャレンジとしては面白いですが、全く違うのではなくやっぱりどこか系譜というか継続してカタチをブラッシュアップしていくことで雰囲気や空気感を作っていく。やがてはこの系譜を感じてお客様からの反響やファン層を時間をかけて作る。これが地場の戸建てプロジェクトの成功させる一つの手法。間違った系譜を連続しているプロジェクトは、少しでもはやく立て直し、連鎖を断ち切る必要があり、思い切ったデザイン改修によって会社の価値を改変出来ると信じています。


小さいけど色々詰まった住宅が完成

なかなか時間がかかったこのプロジェクト。いろんな世の中の動き(材料がない)に邪魔されながらも、なんとか完成です。元々は1つの大きな屋敷で、周辺の住宅は木製サイディングなんかを貼った素敵な住宅が集まった一角の敷地。隣地に大きな樹木があるのが特徴的で、この樹木を大切に守るかのように周りの既存住宅も建って、見守っているそんな感じの街の雰囲気がこの場所。

ただこの土地、平面で見ると少し変形地で普通に分割してしまうと、車を止めにくくなるし、建物の全体感が見えなくなるし、更には共有したい風景がどちらか片方だけになってしまうという、お互いで土地の価値を下げあうそんな形状(分かります?なんとなく)。計画するにあたって、まずは建物の配置ありきで区画を検討してみることにして、大切な与条件を最優先に守り、最後にその建物を維持できるような区画ラインを決めて、2区画のボリューム、見た目、面積を調整してみました。

建物内部プランに関しては、僕らは一切かかわって無くても、なんとなく配置配棟の図面の段階で、環境計画から意図した事は察していただいて、すごく充実したプランになっているようにみえます。

暮らした感じは家族がリビングを中心にグルグルと回遊する感じ。そんな風景が見えそうなプランニング。

昨今の在宅勤務に合わせて?それとも独立のスタートアップ?SOHOみたいなスモールオフィス的なスペースは、趣味や仕事に幅広くつかえそう。小さいスペースだけど、家族との距離感、外への開放感はこじんまりというか、すごく集中できそうな空間。

外観は、以前HIRAMEKIで提案し採用された外装デザインを踏襲したもので、数年前に計画したデザインを更にグッと良くしてくれた外観デザインになっています。

外構は、建築軒先のボリュームに合わせてポーチのデザインや大きさ、段差を作り一体感ある仕上げに。ポーチから連続するデッキは、屋外混合水栓のシャワーに繋がっていて、バスルームへのアプローチを考えた計画にしています。植栽は、緑化基準が厳しいので常緑樹メインです。夏ごろには剪定しないと少しゴワゴワしてしまうかもしれない。この住宅デザインから察するに、手間暇かけて住宅を大切にするような住まい手になると予想し、少し邪魔臭くても雰囲気ある緑量感で比較的どこでも手に入る樹種をベースに構成しています。今回は外構、植栽工事共に僕らから離れたところで施工してもらい。図面をキッチリ仕上げることで、どこまで現場に顕在化させることが出来るのか?実験的なトコロもあった気がする。このようなケースは、たとえば遠隔地(関東以外)の場所で図面を提供し、ZOOM会議などでコンセプトと重要ポイントを伝え、あとはLINEなどで現地の写真や質疑などに逐一答えていくいつものスタイルで十分期待以上の成果につながっているので心配無用。

 

既存の井戸(豊富な地下水)があり、それを再利用してみました。

 

奥行にゆとりがあったので、あえての幅広ステップ。幅60センチメートルはそれだけで豊かさを感じるスケール感。プランター置いても良いと思います。

HPからご質問頂く、「図面だけ依頼することは可能か?」、「設計監理まで依頼し、施工は他社でも構わないか?」という質問にカタチで答えてみたような気がします。設計オンリーでも全然OKです。あと、「小規模だけど?いい?」、「予算少ないけど・・・」みたいなのもオールOKです。予算少ないのは限界あるんですけど、魔法使いではないので予算増やしたり、商品の質を上げたりという事は出来ないけれど、何をどうすれば不動産商品として良い面を見せられるか?残った余白は、住まい手で何とかしていく、もしくは追加で何か工事を依頼するという相乗効果もあるので、是非色々相談してください。


集合住宅を考える

今、まさに集合住宅の現場が完成に近づいています。

集合住宅の外部環境計画って、必要以上に予算をかけないという場合と逆のパターンとがあります。これは価格帯によるものと地域性によるものが多くて、だいたい??な感じが多い気がします。HIRAMEKIにおける集合住宅の外部環境計画の場合、こだわりを持ったコンセプトマンションの依頼が多く、必然的に緑量やアプローチのギミック、コンセプトを外部で表現する意匠的な側面を求められるケースがあります。今回は、敷地がそれほど広いわけでは無いのですが、建物正面やエントランス空間に豊かな緑を携えた空間を生かし、住まい手や地域に対して平等な環境性を広く展開した「エントランス(小路:こうじ)」を特徴にした環境づくりにしようと考えたものです。

 

都市型の分譲集合住宅では最小限の敷地に最大の容積を確保することが多く、エントランスから建物までの距離感や緑量感や季節感などが蔑にされることがあります。そのような従来のような開発では、集合住宅全体の価値や所有感が低く、景観の持続性や快適性など様々な課題がありました。それらを少しでも解決すれば、敷地をより有効に活用でき、様々なエキストラ空間が作れることから、美しい景観と快適で環境に優しい住まいが出来ると考えました。

 

外部環境のコンセプトは「過剰な設備を作らず、より自然でより雰囲気を感じられる街」。過剰な設備というのは「過美」にならないという事。必要以上に作り込まず、自然な緑や経年によって美しさを重ねて、風景の価値を増していくような概念に基づいて計画しています。人の価値観や趣味趣向は年齢を重ねるごとに変化していくのは当然ですが、一つだけ変わらない価値観が人には存在しますが、それが「自然や風景」を見る審美眼にあたります。子供の頃に見た風景や香りは、大人になっても受け継がれるように風景の価値を、このプロジェクトに存在させることでコンセプトを顕在化しています。

※以下、当社計画したディテールイメージです。


植込み中

絶賛植込み中。緑化基準の最低ラインなんて無視です。もう植えられる限界に挑戦しています。というのは冗談ですけど、基準をクリアしつつも商品としての見栄え、住まい手の所有感を満たすような仕上がりになるように皆さん頑張ってくれています。


室内緑化

打合せの時間調整で立ち寄った中部地方のとある地方にあるカフェ。カフェというかコーヒーbarという軽い感じのお店。ここに寄りたかったわけでは無く、ただ近くにあったの立ち寄っただけ。店舗に入ると、富士山の溶岩を利用したような壁面緑化。壁面というには大袈裟だけど、あまりジロジロみるわけにはいかず、写真を許可を得て撮影。コーヒーを撮るのではなく、なぜか壁面を。カウンターの下を緑化しているので、少し気を付けないといけないのだけど発想は面白い。どのぐらい期間この状態を維持しているのか?分からないけど、なかなかディテールは可愛くそして印象はヨカッタ。他にも同じようにあらゆる場所にあったけれど、この垂直面以外はあまり生育が芳しくない。自動潅水でも無さそうなので、オーナーが定期的に潅水してるんだと思うけど、コーヒー好きのオーナーでないと豆にいやマメに管理できないだろうと思う。ちなみに僕のお客さんの中で唯一自動潅水装置を全戸に取り入れている会社がある。商品である住宅が完成して、引き渡しまでの間も自動潅水装置のおかげで、活き活きとした緑でお客様の印象も良い。さらには面倒な散水作業を営業の方や購入者であるユーザー様がしなくても良いというのが、とっても評判イイみたいです。最初から立水栓を二口にして潅水装置を取り付け、配管ルートを考慮した外構計画であれば、最初から導入するのは案外簡単で費用もかからない。販売時のメリットを考えるとかけたコスト以上に良い事がある。販売したあとに緑が枯れて、どーしようもない状態になる自社物件よりも、なるべく美しい緑の状態を保てる自社物件の方が評判イイに決まっている。