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適材適所

不動産商品いわゆる建売住宅の街を作っていくうえでキーになる事はコンセプトだというのは誰でも考えるわけなんですが、そのコンセプトをどのように顕在化していくか?という点で殆どの商品で言えることは、無難な素材の組み合わせと無難な植栽の組み合わせという何とも悲しい現実。結局のところコンセプトは何だったの?みたいなことが多い。なぜか?(心に手を当てて察してください)

無難な素材の組み合わせがダメという事では無くて、コンセプトや価格帯や商品、住まい手のイメージやライフスタイルに合うものか?という点で無難すぎる=どこも同じに見える(もしくは同じようにワザと見せている)。同じように見えるので、近隣物件と比較対象にされやすく、とにかく価格や住宅設備のグレード感だけで購入が決定してしまうことも多いと思う。それはそれで少し物悲しいものがある。

個人的にはコンセプトを決め、住宅ディテールやイメージを決めて、外構の素材や組み合わせ、植栽を考えていくのですが出来るだけシンプルな組み合わせを考えて、そのディテールを徹底的に美しく見えるように作り方を考え直します。インスタ写真や実際に現場で組みあがった素材は本当に美しく、他社ではできないレベルまで来ていると思っています。(勝手に思ってるだけかも)

エクステリア商材の単純な組み合わせはインスタント的エクステリアデザインであると考えていて無難な組み合わせになりがち。最近では、単純に株立ちの木をたくさん植えていると何となく見栄えがするとかシンボリックな木を1本だけ入れるとか、ちょっと小手先が多い気がしています。シンプルで美しく見せ、機能的であるうえに時間が経っても美しく見えるという外部環境はとても作り込みが難しく、その見せ方には全体計画と配置バランスなどの経験値が最も必要とされるところです。やっぱり不動産商品は群で魅せて、街を機能的で美しく見せるという点で購入者の心や商品としての資産価値を高めていくものだと思うので、少しでも他社との差異を作る!という想いがあるとすれば、間違えの無いデザインをする人を迎え入れるべきであると思います。

そんな街のデザインも時代や時間が移り変わり、住まい手=購入者の希望や社会情勢も凄い勢いで変化している中、伝統的でベーシックなデザインも必要かとは思うのですが、やはり購入したいと思えるカッコいい不動産商品づくりは、少々作り込みにもテクニックを要するものです。そんな雰囲気のある街を手にできる人はそんなに多くはありません。なぜならそのような街があまり市場に出回ってないからです。階段一つ、手摺一つでも組み合わせや作り込み次第で、踏み込んだ瞬間の雰囲気、手で触った感触からの室内への連動性まで、一つの街では作り手の考え、ストーリーがコンセプトとして表現できる不動産商品ほど他社との差異が明確になるものは無いと思っているので、是非今の時代に合わせた街づくりが少しでも多く増えるといいなーと。

そんな中、間もなく販売開始のプロジェクトをHPのトップやインスタグラムに掲載。

強い主張はナシ出来る限りオーソドックスなモダンスタイル。室内のデザインには今を取り入れたものです。外部環境は、昼と夜の雰囲気、建物ディテールと組み合わせ、外部環境のシンプルかつ雰囲気のある組み合わせはコンセプトを表現するに十分な不動産商品となっています。特に夜の照明はあえて明るすぎる灯具は避け、住宅の縦ストラクチャーとしのインパクトウォールだけを照射できるようにしているのが特徴です。光を使い過ぎず、明るすぎず街から漏らさない配慮で光害など周辺住宅との溶け込み方と商品としての目立つ感じを上手く調整できていると思います。是非、住まい手には差異を実感してもらい事業主や私たちデザインや工事に関わった沢山の人たちの「思い入れ」を感じ取ってもらえると嬉しいです。詳しくはインスタやHPの写真とコメント参照ください。


ターゲットインサイト

普段私たちがデザイン関与している主なプロジェクトはいわゆる「建売」住宅だ。

建売といっても土地+家付住宅で、地方と首都圏では同じものでも価格が随分差異があるのは当然。

ただ、価格帯という表現で一括りに考えると大体2000万円台後半から6000万円台後半あたりが主な建売住宅の価格帯と言える。

前にも書いたけど家のボリューム感(広さ、大きさ)は、日本中どこも似たり寄ったりで平均30坪が多い。あとは土地の広さと坪単価によって総額が決まる。当たり前だ。

当然、地価の安い場所へ行けばだだっ広く、都会に向かうほど狭くなっていくが、事業主としては、だだっ広い土地で建売なんていうプロジェクトはやりたくないはずである。(理由察してください)
何が言いたいかといえば、住宅を購入しようとするターゲット層は、大きく分けて3層と考えています。(勝手に思ってるだけです)①街(開発地)の雰囲気を買う人。②趣味の空間を買う人。③一戸建てを買う人。

①の街の雰囲気を買う人というのは、環境を買う人という意味です。環境というのは緑とか外構とかっていう意味だけではなく、主にはどんな購入者が住むか(買うか)ある程度想定がつく街(プロジェクト)、いわゆるステータスとして買えるような街ということ。簡単に言うと億越えやそれに近いの夢のような?建売住宅である。このような価格帯を購入できる人達は、住宅の立地、建物スペック、外構や雰囲気、駐車場サイズや台数といった詳細な事以外に、この街にどんな人が住まうか?お隣さんがどういった人が来るか?という事も同時に気になるので、ある程度価格帯が高いということは、同じようなステータスの人たちが住むと想定される高価格帯物件というのは、雰囲気やスペック以外のお金で買えない雰囲気を積極的に購入するという感じと考えています。

では、次の②趣味の空間を買う人。この層は殆どが注文住宅に向かっていきがちですが、最近では建売プロジェクトの中にも面白い趣味趣向を取り入れた物件が多くあります。最近よく見かけるのがサーファーズハウス的な住宅。ただ、この手の人たちの殆どは徹底的に拘って住宅づくりを目指す人が多いので、半端な企画商品であると見切られることが多く、ゆえに企画者側(事業主)が相当な熱意が無いと厳しい商品になってしまう事が多々見受けられる。最終的にコストがかかった趣味趣向住宅は、安易に値引きされ結局ハイリスクローリターンなものとなるし、事業主のブランドにも傷がついてしまうことも多い。HIRAMEKIでもいくつかこの趣味趣向が強めの建売プロジェクトを行ったことがあるのですが、この場合のキーとしては余白を残すということ。完璧な趣味趣向住宅を建売住宅に求めない事です。ベースだけシッカリつくり、あとは時間をかけて傷や汚れ、カスタムして時間の経過を楽しむ自分たちの理想を求めていくことができるように余白を作ってあげるという点。

で・・・最後に③一戸建てを買う人。これは読んで字のごとく家を買う人。自分たちが買える予算から逆算して、それに見合う住宅を探すこと。普通の人はここから家づくりを考えるのですが、思わぬ落とし穴が色々出てくるのです。折角の住宅購入後にあれもしたい!これもしたい!って考えながら住宅選びをしていくものなんですが、実際購入して思うことは最初に書いた①と②の真逆の事が起きるわけです。余地がない完成され過ぎた③建売は面白みが少なく、一般的な暮らし?を想定したその充実っぷりが逆に邪魔になったりと。③は③なりのコンセプトやテーマを明確化して、それに合わせてスペックや室内の立体感、仕上げを考えるのがルールかなと。

そして、今はその①~③を上手くミックスさせたりオーバーラップさせたりしてプロジェクトを進めていくわけなんですが、明確にターゲットを絞るという行為自体が事業主としては危険な香りがする案件となるみたいで躊躇されることが多いようですが、実際購入者側として考えると「こんの物件の良さは?」と問われたときに、そのターゲットやコンセプトが明確に空間に表れて、ライフスタイルなどに反映されるとお得感やほかに無い住宅として購入したいと思うわけですが、半端だと①~②を目指していたのに、購入者側からは③のような扱いを受けてしまったりするわけです。いずれにしてもプロジェクトの最初の段階である程度明確なコンセプトワークが必要で、そのコンセプトに向かってすべての関係者が最後まで売り切ってしまうまで突き進む必要があるのかなと思っています。意外と・・・これが途中で挫折してしまう事が多いんです。

 

という・・・今回はターゲットインサイトというかコンセプトワークの必要性についてでした。

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