ターゲットインサイト

普段私たちがデザイン関与している主なプロジェクトはいわゆる「建売」住宅だ。

建売といっても土地+家付住宅で、地方と首都圏では同じものでも価格が随分差異があるのは当然。

ただ、価格帯という表現で一括りに考えると大体2000万円台後半から6000万円台後半あたりが主な建売住宅の価格帯と言える。

前にも書いたけど家のボリューム感(広さ、大きさ)は、日本中どこも似たり寄ったりで平均30坪が多い。あとは土地の広さと坪単価によって総額が決まる。当たり前だ。

当然、地価の安い場所へ行けばだだっ広く、都会に向かうほど狭くなっていくが、事業主としては、だだっ広い土地で建売なんていうプロジェクトはやりたくないはずである。(理由察してください)
何が言いたいかといえば、住宅を購入しようとするターゲット層は、大きく分けて3層と考えています。(勝手に思ってるだけです)①街(開発地)の雰囲気を買う人。②趣味の空間を買う人。③一戸建てを買う人。

①の街の雰囲気を買う人というのは、環境を買う人という意味です。環境というのは緑とか外構とかっていう意味だけではなく、主にはどんな購入者が住むか(買うか)ある程度想定がつく街(プロジェクト)、いわゆるステータスとして買えるような街ということ。簡単に言うと億越えやそれに近いの夢のような?建売住宅である。このような価格帯を購入できる人達は、住宅の立地、建物スペック、外構や雰囲気、駐車場サイズや台数といった詳細な事以外に、この街にどんな人が住まうか?お隣さんがどういった人が来るか?という事も同時に気になるので、ある程度価格帯が高いということは、同じようなステータスの人たちが住むと想定される高価格帯物件というのは、雰囲気やスペック以外のお金で買えない雰囲気を積極的に購入するという感じと考えています。

では、次の②趣味の空間を買う人。この層は殆どが注文住宅に向かっていきがちですが、最近では建売プロジェクトの中にも面白い趣味趣向を取り入れた物件が多くあります。最近よく見かけるのがサーファーズハウス的な住宅。ただ、この手の人たちの殆どは徹底的に拘って住宅づくりを目指す人が多いので、半端な企画商品であると見切られることが多く、ゆえに企画者側(事業主)が相当な熱意が無いと厳しい商品になってしまう事が多々見受けられる。最終的にコストがかかった趣味趣向住宅は、安易に値引きされ結局ハイリスクローリターンなものとなるし、事業主のブランドにも傷がついてしまうことも多い。HIRAMEKIでもいくつかこの趣味趣向が強めの建売プロジェクトを行ったことがあるのですが、この場合のキーとしては余白を残すということ。完璧な趣味趣向住宅を建売住宅に求めない事です。ベースだけシッカリつくり、あとは時間をかけて傷や汚れ、カスタムして時間の経過を楽しむ自分たちの理想を求めていくことができるように余白を作ってあげるという点。

で・・・最後に③一戸建てを買う人。これは読んで字のごとく家を買う人。自分たちが買える予算から逆算して、それに見合う住宅を探すこと。普通の人はここから家づくりを考えるのですが、思わぬ落とし穴が色々出てくるのです。折角の住宅購入後にあれもしたい!これもしたい!って考えながら住宅選びをしていくものなんですが、実際購入して思うことは最初に書いた①と②の真逆の事が起きるわけです。余地がない完成され過ぎた③建売は面白みが少なく、一般的な暮らし?を想定したその充実っぷりが逆に邪魔になったりと。③は③なりのコンセプトやテーマを明確化して、それに合わせてスペックや室内の立体感、仕上げを考えるのがルールかなと。

そして、今はその①~③を上手くミックスさせたりオーバーラップさせたりしてプロジェクトを進めていくわけなんですが、明確にターゲットを絞るという行為自体が事業主としては危険な香りがする案件となるみたいで躊躇されることが多いようですが、実際購入者側として考えると「こんの物件の良さは?」と問われたときに、そのターゲットやコンセプトが明確に空間に表れて、ライフスタイルなどに反映されるとお得感やほかに無い住宅として購入したいと思うわけですが、半端だと①~②を目指していたのに、購入者側からは③のような扱いを受けてしまったりするわけです。いずれにしてもプロジェクトの最初の段階である程度明確なコンセプトワークが必要で、そのコンセプトに向かってすべての関係者が最後まで売り切ってしまうまで突き進む必要があるのかなと思っています。意外と・・・これが途中で挫折してしまう事が多いんです。

 

という・・・今回はターゲットインサイトというかコンセプトワークの必要性についてでした。

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